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【重回帰分析】 bookmark
重回帰分析は数量データを使って、例えば総合評価に影響する詳細項目の影響度を測ったり、売上げ予測モデル式を作成する手法です。重回帰分析では総合評価や売上げを目的変数、総合評価を決める元となる詳細項目や、売上げを決める元となるデータ、販売日数、売り場面積、来店者数などを説明変数と呼び、目的変数と複数の説明変数との関係を求め、説明変数から目的変数を推定します。
◆重回帰分析の説明変数
重回帰分析の説明変数は数量データ。質的データ(性別など数量でないカテゴリーデータ)の場合は数量化Ⅰ類を用いる。

◆調査応用例
商品の売上げに寄与する要因分析、売上げ予測
商品の保有に寄与する要因分析
広告認知に寄与する要因分析
総合満足評価に対する詳細項目の寄与度分析 等
◆説明変数の選択
重回帰分析は、説明力が高い、なるべく少数の説明変数で、適合度の高いモデル式を作ることが理想とされています。
説明変数は以下の方法によって、最終的な説明変数を決めていきます。
強制投入法:すべての変数を説明変数として重回帰式を作る。
変数増加法:既存の重回帰式に、新たな変数を追加しては、評価していく。
変数減少法:既存の重回帰式から、1つずつ変数を減少させて、評価していく。
ステップワイズ法:説明変数を1つずつ入れたり抜いたりしながら、だんだんとあてはまりのよいモデルに近づけていく。
◆多重共線性(マルチコ)
重回帰分析の説明変数同士は、相関が低く独立していなけばなりません。
説明変数A、B間に相関が高いと、目的変数に対するAの寄与度とBの寄与度を分けることができず、適切な偏回帰係数が求められません。これを、多重共線性(マルチコリニアリティ)といいます。
多重共線性があると、本来目的変数にプラスに寄与する項目が、マイナスの寄与率となってしまうなどの現象が起こります。多重共線性は説明変数間の相関行列を調べることで発見し、相関の高い説明変数を落とします。
◆事例1
[解析目的]
スクーターの総合満足度評価及び、信頼性、価格などの詳細項目の評価についてのユーザーの回答結果から、総合満足度評価を上げるために、重要な要素、改善のための重点ポイントを探るため、各項目の評価得点をもとに重回帰分析を行った。
[解析方法]
目的変数、説明変数を下記とする重回帰分析を実施。
・目的変数-総合評価
・説明変数

[解析結果]
満足度評価への寄与度(影響の強さ)は「加速性」「デザイン」「走行安定性」「振動」「始動性」などが高く、これらの評価を高めることが総合的な満足度を上げるために最も効果がある。満足度評価と寄与度の関係をみると、「振動」「始動性」は寄与度が高いにも拘らず、満足度が低く、この2点が改善のための最重要ポイントとして浮かび上がる。


【数量化I類】 bookmark
数量化Ⅰ類は例えば、ある商品の購入量(目的変数)を、購入者の性別、年齢層、家族構成などの質的データ(説明変数)で説明するモデル式を作成し、各要因が購入量に寄与する度合いを測定する手法です。モデル式を使って購入量を予測することができる。重回帰分析と同じような手法であり、説明変数が身長、体重など量的データである場合は重回帰分析を用います。
◆調査応用例
・商品の売上げに寄与する要因分析、売上げ予測
商品の保有に寄与する要因分析
広告認知に寄与する要因分析
総合満足評価に対する詳細項目の寄与度分析 等
◆事例1
[解析目的]
スポーツ新聞の販売数のモデル式を作成し、販売数予測を行う。
[解析方法]
目的変数を「販売数」、説明変数を下記とする数量化Ⅰ類を実施。
説明変数・・・・「販売日の曜日」「販売日の天候」「前日のプロ野球の有無」「前日のJリーグの有無」

[解析結果]
売上げに寄与する度合いに応じて各説明変数(目的変数である「販売数」を説明する要因)のカテゴリースコアが算出される。下記の例では、「プロ野球がある」「月曜日」の売り上げが多くなる。
※売上げのモデル式
売上げ部数=曜日+天候+プロ野球有無+Jリーグ有無+平均売上げ部数
※各要因の変数に当てはまる条件のカテゴリースコアを代入して算出する。
例)次の条件の時、売上げ部数を予測する。
①月曜、曇り、プロ野球-あり、Jリーグ-なし
売上げ予測部数= 20 + 9 + 22 + (-3) + 85(部) =133(部)
②金曜、晴れ、プロ野球-あり、Jリーグ-あり
売上げ予測部数= 20 + 9 + 22 + (-3) + 85(部) =133(部)
◆事例2
[解析目的]
ラジオ番組を提供するスポンサーにとっては、番組によってスポンサーの認知度を高めることが目的。どのような番組であればスポンサーの認知度を上げるかを解析し、さらに、仮想する番組を提供した場合、認知度はどの程度期待できるか予測することで、提供番組選定の指針としたい。
[解析方法]
目的変数を「スポンサー認知率」、説明変数を下記とする数量化Ⅰ類を実施。
説明変数・・・・放送局/番組時間帯/番組ジャンル/番組パーソナリティ
※スポンサー認知率、番組好感度はアンケート調査により収集。
[解析結果]
「AM局よりFM局」「早朝の時間帯」「娯楽・音楽系番組よりニュース・情報系番組」「アナウンサーがパーソナリティを務める番組」が、スポンサー認知度を上げる効果が高い番組として期待できる。

【数量化II類 / 判別分析】 bookmark
数量化Ⅱ類はある商品の購入者と非購入者、広告の認知者と非認知者など、2つのグループに分けた時、ある特性をもつ回答者がどちらのグループに属するかを判別する手法です。購入者ではないが、購入者と同じ特徴を持つ潜在需要層を抽出したいケースなどに利用できます。
◆事例1
[解析目的]
IHクッキングヒーター保有者、非保有者の世帯特徴を分類することにより、保有者層のプロフィールを明らかにするとともに、非保有者層の中で、購入に転じる可能性の高い潜在需要層を抽出する。
[解析方法]
世帯特徴を表す下記調査項目の回答データを元に、判別分析を実施する。
・家族構成
・世帯年収
・住居形態
・居住年数
・居住地域
[解析結果]
(1)カテゴリースコアによる、保有要因の抽出
IHクッキングヒーター保有に寄与する度合いが強いほどカテゴリースコアが大きい。
「高年収」「持家」「築浅住宅」「首都圏」の居住者で保有率が高い。

(2)サンプルスコアによる、回答者個々の“保有者特徴の保有度“計測
回答者個人ごと、該当する回答内容のカテゴリースコアを合計した得点を「サンプルスコア」として得点化する。
サンプルスコアが大きい回答者ほど、保有者の特徴を強く持っている。
(例)
「回答者A」
=「夫婦と子供2人(カテゴリースコア=0.08)」(「年収800万円以上(0.22)」「持家一戸建て(0.14)」「4LDK(0.11)」「居住年数4年(0.06)」「首都圏(同0.09)」
=0.08+0.22+0.14+0.11+0.06+0.09=0.70(サンプルスコア)
(3)判別グラフによる、潜在需要層の抽出
回答者全員のサンプルスコアを、電子レンジ保有世帯、非保有世帯別にグラフ化する。
判別的中点より大きいサンプルは保有者の特徴が強い。
非保有者の中でも、判別的中点より大きいサンプルスコアを持つ回答者は保有者と近い特徴を持っているため、何かのきっかけで保有者になる可能性が高いと考えられ、潜在需要層として捉えることができる。

◆事例2
[解析目的]
ペット保険の導入可否を検討するため、判別分析により加入意向のある層、ない層の特徴を明らかにする。
[解析方法]
世帯特徴を表す下記調査項目の回答データを元に、判別分析を実施する。
・飼育パターン
・飼育頭数
・飼育年数
・ペットに対する意識
・飼育費用
・現在のペットの病歴
・現在のペットのケガの経験
・性・未既婚
[解析結果]
「ペットは家族と同然」という意識やペットの病気やけがに対する不安が強いこと、加えて飼育にかけている費用が高いことが、ペット保険加入、非加入を分ける主な要因である。

【数量化Ⅲ類 / 因子分析 / 主成分分析】 bookmark
数量化Ⅲ類はアンケート質問に対する回答パターンなど複数のデータの特徴から、サンプル相互の距離(似ている度合い)、カテゴリー(回答選択肢)相互の距離を得点化し、サンプルやカテゴリーの特性を分類して解釈する手法です。商品やブランドのポジショニングや、回答者をグループ分けする際などに利用できます。
◆事例1
[解析目的]
企業の人材採用における傾向分析
企業が人材採用時に重視するポイントを分類し、業種や規模など、企業群別に重視ポイントを分析する。
[解析方法]
(1)質問(例)

(2)カテゴリースコアの算出と分類される軸の解釈
数量化3類によってカテゴリーを分類する軸が抽出される。カテゴリースコア順の並びから、どのような分類で抽出された軸か、軸の意味合いを解釈する。
第1軸
「学歴・学力」重視か、「働く姿勢」や「意欲」を重視するかを分ける軸

第2軸
業務に直接役立つ技能を重視するか、基本的な資質を重視するかを分ける軸

(3)抽出された軸のマップ上に各回答サンプル(企業)をポジショニングする。
&ref(): File not found: "ks9s.gif" at page "pic";
[解析結果]
従業規模の大きい大企業は直接的な技能やスキルより社会人としての基礎的な資質を重視する。中小企業は大企業に比べてより実践的で即戦力化できる人材を求める傾向が強い。
【クラスター分析】 bookmark
クラスター分析はサンプルを複数の質的、量的データによって、特徴の似たいくつかのグループに分ける手法です。
複数のデータからグループ分けしたクラスターを作成し、クラスターの特徴やボリュームを分析することで、単純なクロス集計などでは捉えきれない事象を解析するために使います。
◆クラスターには分類する対象によって2種類ある。
・サンプルクラスター:対象者を直接分類するクラスター(例:身長と体重から対象者を体型のクラスターにわける。人々の生活意識、ライフスタイル、志向性の違いで分ける。)
・変数クラスター:サンプルではなく変数を分類するクラスター(例:多数の評価項目をいくつかの中・大分類に集約するなど、多数ある項目を回答パターンが似た傾向の項目同士をまとめてグループ化するクラスター)
●事例1
[解析目的]
消費者を食生活に関する意識の違いによってグループ化する。
[解析方法]
(1)クラスター分析質問の作成
クラスター分析に用いる質問は質的データ、数量データのいずれでもよい。下記の事例のように回答者の意識を段階評価で質問して用いることも多い。
Q 食生活に関してあなたのお考えや行動に当てはまるものは?

(2)クラスター分析による、サンプルクラスターの分類
クラスター分析の過程で下記のような樹形図が生成され、各サンプルはクラスターに分類される。

[解析結果]
料理に対する関心・こだわりの強さ、外食-内食志向によって次の5つのグループに分類された。
・健康食派・・・・・・・・・・・食の安全を重視し、健康を考えて食事を摂ることを心がける最も数の多いグループ。
・食べ歩きグルメ派・・・・おいしい料理を求め、料理を楽しむ気持ちが強いグループ。
・手料理派・・・・・・・・・・・外食よりも自分で手作りすることへのこだわりが強いグループ。
・ファーストフード派・・・・手軽に簡単に食べられることを重視する料理に利便性を求めるグループ。
・質素派・・・・・・・・・・・・・料理を作ったり、おいしいものを食べる欲求が比較的薄いグループ。

●事例2
[解析目的]
乗用車ユーザーをクルマに求める志向性の違いによってグループ化する。
[解析方法]
クラスター分析質問
Q クルマに関してあなたのお考えや行動に当てはまるものは?

[解析結果]
クルマへの志向によって次の5つのグループに分類された。
・ステーションワゴン志向・・・・最大規模のグループで、スポーツ性とユーティリティの両立などクルマに総合バランスを求めるグループ。
・ミニバン志向・・・・・・・・・・・・スポーツ性能やデザインなどよりも日常の実用的な使い勝手の良さを最も重視するグループ。
・セダン志向・・・・・・・・・・・・・どちらかといえばスポーツ走行性を求めるが、やや保守的で強いこだわりのないグループ。
・スペシャルティ志向・・・・・・・いわゆるクルマ好きで、走行性能を重視、走る喜びを求めるグループ。
・高級SUV志向・・・・・・・・・・ハイグレードでユーティリティも高い車を求めるグループ。

